網膜剥離=スポーツ選手の引退理由?

ボクサー

 網膜剥離というと激しいスポーツをする格闘技やスノーボーダー選手の引退理由になる病気というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?スポーツ観戦が好きな人だとこういったイメージを持っている病気なのかもしれません。が、しかし、網膜剥離は誰にでもなりうる可能性のある眼病なのです。

そもそも網膜って何?

網膜

 少し見にくいかもしれないのですが、イラストの赤く塗った部分が網膜になります。網膜は1枚ものの膜ではなく、10層からなっていて、その内の9層(神経網膜)は数億個とも言われるたくさんの細胞があります。

 ここ(神経網膜)では光を吸収したり、その吸収した光を電気信号に変えたりする働きをしています。ここでの光の情報処理は、目の中でもかなりのエネルギーが必要とされる部分と言われています。

 で、網膜の残りの1層(網膜色素上皮)は、網膜に面している組織(脈絡膜)からエネルギーを受け取る働きをしています。9層(神経網膜)がかなりのエネルギーを必要とする場所なので、エネルギー不足になってしまわないようにしっかり働く必要があるのです。

網膜剥離とは

 ざっくりと網膜の働き、網膜が10層からなっていることが分かってもらえたかと思うのですが、網膜剥離とは9層(神経網膜)と1層(網膜色素上皮)の間に水分がたまり、剥がれてしまう病気なのです。

 エネルギーがたっぷり必要な9層(神経網膜)が、エネルギーを受け渡すための1層(網膜色素上皮)と離れてしまうのでエネルギー不足となり機能しなくなります。つまり光を感じたり、うまく情報処理したりすることができなくなるので、失明にも繋がる病気なのです。

網膜剥離は1万人に1人の病気

たくさんの人

 統計的な話にはなるのですが、網膜剥離は1万人~1万5千人に1人の病気と言われています。一般に10~20代の活発な年代と、50~60代の初老~高齢の年代に多い傾向が見られますが、年齢に無関係に誰にでもなりうる可能性のある病気です。

 若い年代(10~20代)での網膜剥離は、スポーツや事故などの怪我によって発病するものや、中等度以上の近視から発病するものがあります。それに対して、シニア世代(50~60代)の網膜剥離では、老化によって網膜に裂け目ができ、そこから剥がれていき発病します。

網膜がなぜ裂けるの?

 スポーツや事故での怪我が原因で網膜が裂けるのはイメージしやすいのですが、老化によって網膜が裂けるのはどうしてなのでしょうか??老化=体のあちこちにガタがくるといったことなので、何となく分かる気もするのですが、少し解説したいと思います。

硝子体はゼリー状

 通常、眼球の大半のスペースは硝子体というゼリー状のもので満たされていて、網膜を外へ外へと押しています(イラスト1)。しかし、このゼリー状の硝子体は歳を重ねるごとに液状っぽくなっていき、眼球の前方側へと縮んでいくことが分かっています。

 

硝子体はゼリー状

 硝子体が縮むときに一緒に網膜が前方へと引っ張られ、裂け目ができるように隙間が空いてしまうのです。一度、隙間が空いてしまうとそこに硝子体の水分が入り込んでいき、さらに押し広げていき網膜剥離が進んでいくというものです(イラスト2)。

 また、これらが起きる生まれつきの素因として、遺伝も大きく関わっていると考えられています。家族に網膜剥離の方がいる人は注意が必要ですね。

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